海外ボランティア活動・CECジャパンネットワーク

オーストラリア・ボランティア参加者レポート

【日本語ボランティア】生徒に感心しましたし、刺激をもらいました

◆参加期間◆ 2016年2月28日 ~ 3月12日     

◆参加プログラム名◆ 
オーストラリア日本語ボランティア

◆参加動機◆
海外の教育現場を見てみたかったため。学生のうちにホームステイを経験してみたかったため。

◆印象に残ったこと・感動したこと◆
オーストラリアの人々の明るさ、気さくさがとても印象に残っています。ホストファミリーやホストファミリーの友人、学校の先生生徒とかかわる中で、みなさん挨拶や褒め言葉を日本に比べて頻繁に発しているように感じました。学校初日一度授業に参加した後から、学校の生徒が廊下などですれ違うたびに”Hi, Ms! How are you?””〇〇先生、こんにちは!”などとたくさん挨拶してくれたり話しかけてくれたりしたのが本当に嬉しかったです。日本語の授業中も頻繁に質問してくれたり、日本に興味を持って聞いてきてくれたりして、本当に可愛らしく、毎日学校に行くのが楽しみで仕方なかったです。校則も特になく、先生生徒ともに、髪の毛は赤、青、緑、ピアスも当たり前、授業にMyパソコンを持参、といった自由で開放的な様子は新鮮で最初は驚きましたが、 日本の教育について考えるいい材料になりました。日本に比べて褒めることに抵抗が少なく、褒め言葉が頻繁に飛び交っている様子はとても素敵で、真似していきたいと思いました。ある生徒が、数回目の授業が始まる時に私のところに来て手作りのネックレスをくれた時はとても嬉しかったです。宝物です。他にも驚くこと、感心すること、2週間毎日新鮮で、本当に来て良かったと痛感しています。 
学校以外の面では、キャンベラの自然の素敵さ、ホストファミリーの素敵さにも感動しました。キャンベラは首都でありながら自然豊かで、空が大きく、星がとても綺麗に見えて、とても素敵な場所でした。放課後時間があるときは走ったりサイクリングしたりしてキャンベラを探検しましたが、道端でカンガルーを見かけたり日本では見ないようなカラフルな鳥がいたりととても面白かったです。 ホストファミリーは驚くほどアクティブでユーモアがあって親切で、本当に素敵な家庭で、私の理想の家族です。なぜ見ず知らずの日本人にこんなによくしてくれるのだろうと申し訳なくなるほどで、感謝でいっぱいです。ホストマザーとホストシスターと3人で走りながら見た夕暮れのバーリーグリフィン湖の景色は忘れられません。

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◆大変だったこと◆
何と言っても英語でのコミュニケーションです。英語を聞き取ることが本当に難しく、聞き返してゆっくり言い直してもらう、紙に書いてもらうということも沢山しましたが、皆優しく応じてくれました。しかし、相手の言っていることが十分に分からない、言いたいことが完璧に伝えられないということはとてももどかしかったです。ホストファミリーが教会に連れって行ってくださったり友人との外食に一緒に連れていってくださった時も、相手がフレンドリーに話しかけてくれるにもかかわらず思うように伝えられず、申し訳ない思いや悔しい思いも大きかったです。
また、学校の雰囲気は日本に比べてとても明るく賑やかで開放的な印象を受けました。そのため、日本語の先生がおらず自習でワークシートをする時間は、代理の先生がいるにもかかわらず、うるさくて収拾がつかないということもありました。そういう時に、どう対応していいかということも難しかったです。
    
◆楽しかったこと◆
何と言っても毎日の学校が本当に楽しかったです。素直で明るい生徒と一緒に過ごす時間は、時間が経つのをとても早く感じさせました。ホストファミリーと海や動物園、ショッピング、キャンベラのイベントに行ったり、夕食後庭でwater fightをして全身ずぶ濡れになったのもとても楽しかったです。  

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持ち物について 持っていって良かった物、or 持っていけば良かった物など  
日用品はほとんどホストファミリーが貸してくださり、足りないものは買うこともできるので、すべて日本から持っていくということはしなくても良いと思います。ホストファミリー、学校の先生へはお土産を持って行きました。話のネタに日本の広告や写真などを持っていくといいと思います。学校の先生は、日本語の先生以外にもたくさん助けていただいたので、他の先生用にも多めにお土産を持っていくべきだったと思います。      

◆現地での服装について  普段の服装や、活動先での服装のアドバイスなど◆ 
私が行ったのは3月で秋の始まりといった頃でしたが、例年よりとても暑かったそうで、35度前後という日が続き、毎日真夏の格好で過ごしていました。例年だとキャンベラでは3月は25度前後くらいだとホストファミリーはいっていました。ただ、日中は暑かったけれども、朝は少し肌寒く感じたので、寝間着は長ズボン、Tシャツに長袖のパーカーを羽織って寝るくらいでちょうど良かったです。

◆現地の物価  食品・日用品・外食・交通費etc・旅行に行かれた方はその費用など◆ 
現地での費用は一日どれくらい必要でしたか? 
活動中は、食事、外出費用など全てホストファミリーが負担してくださったので、使ったお金は自分のお菓子やお土産代、ショッピング代程度でした。2週間のステイ後、3日間シドニー観光をしましたが、ほとんどの場所でクレジットカードが使えたので、最初空港に着いた時に両替した1万5千円分で十分まかなえました。オーストラリアではコンビニや小さなパン屋さんなどちょっとしたお店でもカードが使えるので、大量の現金を持っていく必要はないかもしれません。ただ、物価は高く、ハンバーガーは単品で7ドル〜12ドル、パンケーキは12ドル、パンは3.5ドル〜という感じでした。安く済ませても外食では1食5〜15ドル程度かかってしまうと思います。飲み物も500mmペットボトルが3ドル以上してとても高く感じたので、学校に行く時は家族と同じように、家からボトルに水道水を汲んで持って行っていました。シドニーでの交通費は、OPALカードを手に入れると1日の上限金額などがあって、お得に公共交通機関が使えるのでオススメです。    
 
◆コミュニケーション手段(言葉の問題など)について◆
まず、英語を聞き取ることが本当に難しかったです。ホストファミリーは日本人に学生を迎えることに慣れており、難しくない語彙でゆっくり喋ってくれたり、わからない言葉は言い換えて伝えてくれたりしたので、私に対して話してくれることはなんとなくわかりました。が、食事中などのファミリー間での会話は正直ほとんど聞き取れず、あまり話題にはいって一緒に盛り上がることができませんでした。学校では生徒が質問をしてくれることも多かったですが、聞き取るのが難しかったので、紙に文字で質問を書いてもらうことも多かったです。話すことについては、日常会話程度ならば中学までに習った程度の簡単な英語でどうにかなりますが、しっかり会話して仲を深めたりコミュニケーションをとったりとなると、一筋縄ではいかないと感じました。伝えたいことがしっかりと伝えられず、とてももどかしい思いをしました。  

◆ステイ先の情報・感想  ホームステイ先の家族構成、食事のことなど◆
お父さんお母さんと、15歳の長女、13歳の双子の3人姉妹という家族構成でした。ホストファミリーになるのは今回で6回目ということで、日本人の受け入れにはとても慣れているようでした。娘3人は日本語を勉強中で、長女は簡単な日常会話なら問題なく理解できるレベルだったので、長女とは日本語で会話することも多かったです。過去には家族で4ヶ月間神戸に住んでいたこともあったそうで、日本についてはとても詳しかったです。家族はスポーツ、芸術、音楽などいろいろな分野に関心があって、ボランティアなどにも参加しているなど、とても活動的な家族でした。放課後や休日には色々なところに連れて行ってくださいました。朝食は毎朝用意してくださるシリアルやトーストをセルフサービスで。学校での昼食には、毎日サンドイッチを作ってもたせてくれました。お母さんは料理が趣味だそうで、夜は毎晩ヘルシーで手の込んだものを作ってくれていました。日本ではあまり食べる機会のない、カンガルーの肉やキヌア、ベジマイト、ネクタリンなど面白い食材にチャレンジできたのも面白かったです。部屋も長女が普段使っている場所を貸していただいて、風呂、食事、全てにおいて不自由なかったです。英語があまり得意でない私に、ゆっくり話してくれたり、聞き返すと簡単な言葉で言い換えてくれたり、皆本当に親切にしてくださり、質問するといつも優しく答えてくれました。お別れの前にはプレゼントと手紙を用意してくださっており、私にはもったいないくらい本当に素敵な家族でした。2週間という短い間ではあったけれど、本当によくしていただいて、これからもお付き合いしていきたいし、また会いたい大好きな家族です。 

◆派遣先の学校に関して◆  
どこでどんな活動をしましたか
ステイ先から自転車で10分少しの学校での活動でした。High schoolでしたが、日本と違って、日本でいう中学1年生から高校1年生の子たちが通っていました。日本語の授業のアシスタントとして、発音、採点、教材作成の手伝いなどを主にしましたが、日本語の先生がバスケットボールの試合の引率として3日間学校にいらっしゃらなかった時があり、その時は先生の指示に従って自分で授業を進めました。他の教科の先生も一緒にいてくださり、生徒を静かにさせたり、教室の機器の使い方を教えてくださったりという形でお手伝いもしてくださりました。授業内容は、ひらがなカタカナや日常挨拶、国名、形容詞の活用などを、学年や生徒のレベルに合わせて、先生の用意してくださったワークシートや電子黒板を使って教えました。私は教員志望ということで授業をすることには比較的慣れていましたが、そうではない人にはなかなか大変かもしれないと思いました。また、日本語の先生は他の先生の代理として体育や英語など他の授業を教えることもあり、それらの授業も見せていただけました。日本にはない、Literacy/pastoral careという授業もあり新鮮でした。日本語の先生の担当クラスはタイ、中国、フィリピン、アボリジニ系の子などいろいろな国の子がいる学級で、英語が母国語でない子たちがほとんどという状況だったので、英語を使って意見を通わせるということに力を入れている授業でした。私も参加させてもらいましたが、母国語ではない英語を身につけ日常を送る生徒に感心しましたし、刺激をもらいました。Assemblyという日本でいう全校集会のような機会で、全校生徒の間で英語で自己紹介とスピーチをする機会もあり、少し緊張しましたが良い経験でした。 
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事前準備に関して   日本で準備していったこと・持っていったものなどありますか  
ホストファミリーには日本のお菓子、文房具、日本らしい小物などを、学校の先生、生徒には日本のお菓子をお土産として持って行きました。ただ、私がお世話になったホストファミリーは一時期日本に住んでいたぐらい日本が好きで日本のことをよく知っていらっしゃるお家だったので、箸や日本の食器、扇子・・など定番の日本のお土産のようなものはほとんど持っていらっしゃいました。ホストシスター達ははフリクションのマーカーを色違いであげると喜んでいました。
また、手巻き寿司を作って振舞おうと思っていたので、海苔と醤油、すしのこなどを持って行きましたが、現地のスーパーにはアジアの食材コーナーが充実しており、持っていかなくても揃ったと思います。ホストファミリーも手巻き寿司は知らなかったようでしたが、具も自由に選べるの好き嫌いがあっても大丈夫、大人数で楽しめるということでとても気に入ってくださり、手巻き寿司にして正解だったと思いました。 

◆今後参加される方へのアドバイス◆ 
私が後悔しているのは、何と言っても自分の英語の不自由さです。本当にファミリーにも学校にも先生生徒にも恵まれ、とても充実していたので、もっと英語がわかって英語が話せたら、もっともっと皆とコミュニケーションできただろうのに、という思いが大きいです。私は最初のうち、英語で思うように意思疎通できないのがしんどく、少し英語で人と会話するのが億劫になってしまいました。途中からはもったいないと思い、自分が話せる範囲で積極的に関わって行くようになりましたが、そうならないためにも、日本にいる間に少しでも英語を聞く、話す練習はなるべくしておくに越したことはないと思います。また、2週間という期間は、海外の教育現場や日常生活を知りたいという私の目的にはちょうど良かったと思いますが、目的によっては全然足りないだろうとも感じました。自分が期間中オーストラリアで何をしたいかということを明確にしてその目的を果たすべく動くことが必要だと思います。 

女性  C・I 様 20代 学生