海外ボランティア活動・CECジャパンネットワーク

オーストラリア・ボランティア参加者レポート

【オーストラリア日本語ボランティア】盛りだくさんな活動をしました

参加期間 6月1日~6月28日
参加されたプログラム名: オーストラリア日本語ボランティア
参加の動機 : 海外の文化や考え方をより深く理解し、米国大学院への出願に役立てるため

【印象に残ったこと・感動したこと】
ケアンズのハイスクールで日本語を教えました。オーストラリア人の日本語の先生(以下H先生)が多くのゲームや課題を取り入れて、生徒のやる気を引き出していたことが印象に残りました。例えば、アニメ「ザ・シンプソンズ」の家族関係を日本語で説明する文章を作るチーム対抗ゲームでは、教室が熱気に包まれ、興奮した生徒の歓声が大きくなって驚きました。
また、11年生と12年生は日本語クラスを選択する生徒の人数が少ないので合同で授業をしていました。この最終回で、生徒が内緒で用意していた写真つきのメッセージシートを私に渡してくれた時は、感動して涙が出そうになりました。

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【大変だったこと】
初めてH先生が休んだとき、代講の先生と二人で20名以上の生徒へ課題を与えて自習させました。ところが、生徒がおしゃべりを始めて課題が進まず、代講の先生が怒り出すという状況に遭遇しました。この経験を元にH先生の手法を観察して真似してみたところ、最終週に彼女が風邪をひいて休んだときに、うまく授業を進行できました。12歳~18歳の生徒を集中させるのがいかに大変かということを学びました。
また、私は出発前まで大学院受験のためにTOEFLの勉強をしていました。TOEFLは米国英語なので、ホストファザーの強烈なオーストラリア英語の発音に慣れるまで、2週間ほどかかりました。ホストファザー以外の方の英語にはそれほど違和感がありませんでしたが、独特の”How’s it going, mate?”などの表現は最初は聞き取れませんでした。プログラムを経て、職員室で他の教師がしている会話や生徒の質問、日本語の先生の説明も、集中すればだいぶ聞き取れるようになったと感じました。

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(キャンプで挑戦したFox Jump: この直後にメガネをなくしました)

【楽しかったこと】
H先生が学年主任をしている9年生のキャンプに参加させてもらいました。「Mungalli Falls」という自然公園に1泊し、障害物競走、イカダ組立、Eacham湖の散策、カヌー、ロープを使った垂直の崖下り、Nandroya Fallsの熱帯雨林散策などを体験しました。Fox Jumpという、取っ手をつかんで縄を滑って池に飛び込む遊びで、メガネをなくしてしまい、残りの2週間をメガネなしで過ごしましたが、とても楽しい思い出になりました。就寝チェックでは、職員がお菓子を食べながら深夜まで談笑している様子が学校の裏側を見ているようで面白かったです。私も夜11:30まで付き合いました。また、キャンプの帰りのバスがラジエーター故障で止まってしまい、このドタバタ騒ぎを体験することができました。周りが暗くなったので、運転席の操作パネルをいじって車内のライトをつけるという小さな貢献をしました。
他にも、ケアンズ近郊の観光地キュランダへ連れて行ってもらってコアラと写真を撮ったり、ちょうどホストファミリーの誕生パーティーがあったりして、たくさんの楽しい思い出ができました。

【持ち物について】持っていって良かった物、or 持っていけば良かった物など
ホストファミリー宅は小さな熱帯雨林のような庭に囲まれていたので、持っていった蚊よけスプレーだけでは予防できず、手の甲がかさぶただらけになりました。虫刺されに効くムヒなどの薬を持ってくればよかったと思います。この他にも、職員室で無料のコーヒーを作るためのマグカップ、キャンプのために買った物も最初から持っていけば良かったと思います。

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ホストファザーのお姉さん夫妻とホストファザーと。

【現地での服装について】普段の服装や、活動先での服装のアドバイスなど
私が行ったのは6月で、南半球では冬に相当する時期でしたが、それでも最高気温が28度、最低気温が20度くらいの過ごしやすい天気でした。ただし、6月8日の週が数年に一度の寒空(最低15度、最高20度)で、この週だけはずっと雨が降っていました。
普段は、学校ではポロシャツとジャケット、スラックスに革靴でした。気温に応じて、ポロシャツの半袖/長袖を切り替えたり、ジャケットを脱いだりして調整していました。学校を終えて帰宅したあとは、ジーンズとスニーカーに履き替えていました。

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【現地の物価】食品・日用品・外食・交通費etc・旅行に行かれた方はその費用など
・ 食品代は3食ともホストファミリーが負担してくれました。平日の朝は、ホストファザーが果物とカップヌードルの昼食を持たせてくれました。
・ 外食代もすべてホストファザーが負担してくれました。(到着日の昼食、金曜日のビール、誕生日パーティーの夕食、キュランダの昼食、出発日の朝食など)
・ ホームステイ先と学校の往復を含め、移動はすべて車だったので、交通費もかかりませんでした。
・ キャンプの準備費 – 約150ドル:日本から持ってこなかったものを買いました。リュックサックや運動着、防水ジャケット、日焼け止めなどです。
・ 肉じゃがの材料費 – 約40ドル:日本料理紹介として、ホストファミリー宅で肉じゃが4人前を1回だけ作りました。この材料費が約40ドルかかりました。みりんが現地のスーパーには売っていなかったので、白ワインで代用しました。
・ その他の生活費 – 約17ドル:ペットボトルの水3本の約7ドルと、職員室でコーヒーを入れるために買ったマグカップの約10ドルです。

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【ステイ先の情報・感想】
ホストファザーは日本語を教えた学校の科学の先生でした。彼はとても面白い人だったので、刺激的な4週間になりました。ホストファザーと彼女、ホストファザーの息子さんというご家庭でした。この他にも、ホストファザーの彼女の息子さんやホストファザーのお姉さんにもお世話になりました。すべてにおいてよく面倒を見てくれたうえ、インターネットの無線回線を自由に使わせてくれました。
彼は数件の家を持っていて、その掃除や改修を手伝ったことが印象に残りました。木材の塗装方法、芝刈機とブロワーの使い方、ココナッツの取り方、熱帯の全長3m位もある大きな枯葉の処理方法などを体験できました。ステイ先には広い庭があり、数十メートルの樹が何本もそびえている小さな熱帯雨林でした。ホストファザーとチェーンソーでマンゴーの樹をを切り倒し、照明器具に加工するというプロジェクトにも取り組みました。
また、ホストファミリー宅の衛生管理にショックを受けました。キッチンやリビングの床を犬が走り回り、その床をホストファミリーが裸足で歩いていました。さらに滞在中に生後3ヶ月の子犬を迎えました。留守中にこの子犬が家中に粗相していて、私たちを困らせていました。また、別の犬がフェンスを抜け出して道路に出てしまい、車にはねられて一時的に失明しました。日本出発前まで室内で犬を飼った経験がなかったので本当に衝撃的でした。しかし、3匹ともなついてくれたので、滞在中かなり癒されました。特に、ココナッツを投げると、拾いに行って皮を剥いて戻ってくる犬と遊ぶ経験はとても新鮮でした。

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(ホストファザーの息子さんの誕生日にホストファミリーと)

【派遣(ボランティア)先について】 どこでどんな活動をしましたか
ケアンズのカトリック系のハイスクールに行き、H先生について、日本語の授業のアシスタントをしました。
8年生から12年生までを対象に1週間で45分×18コマの授業がありました。日本語のレベルはひらがなから日本の小学校低学年で教わる漢字までで、基本的に日本語の先生の方針通りに授業を行いました。インプットはテキストを進めつつ、日本語を覚えるためのゲーム(ビンゴ, ひらがな聞き取り競争, 漢字書き取り競争など)で強化しました。アウトプットはプレゼン、ビデオ作成、スピーチ原稿、会話練習など様々でした。私の役割は日本語の発音や教材準備、答案添削などが中心でした。ただし、10年生の習字体験では進行を任せてもらいました。また、最終週に日本語の先生が休んだ3日間は、代行の先生と2人での授業ではありましたが、H先生からの指示書に基づいて、ほとんど1人で進行しました。
このほか、先述のキャンプに参加したり、調理実習で巻き寿司を作るクラスを見学させてもらったり、BBQ朝食会でホットドッグをごちそうになったり、休憩時間に先生方の話を聞いたり、昼休みに生徒演奏のピアノコンサートを聞いたり、礼拝式(日本でいう終業式)に参加したりして、盛りだくさんな活動をしました。

【やってみたかった事・やり残した事】
百人一首、J-POPの曲、日本のテレビ番組などを日本から持っていったので、これらを使って日本の面白さを自分で生徒に伝えられなかったのが残念です。第2週はキャンプ、第3週は学期末テスト、第4週はH先生が風邪で休んだので、アイディア一覧と教材をH先生にメールしただけで4週間が終わってしまいました。

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【その他、自由にご記入ください】写真大歓迎!!
とても刺激的な4週間でした。こんな家族的で楽しい機会はこれから2度と味わえないかもしれません。CECの池頭さん、本当にありがとうございました。大変お世話になりました。

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(隣に住んでいるホストファザーの親友の家族とホストファザーと)