海外ボランティア活動・CECジャパンネットワーク

参加者レポート

ネパール・高齢者施設ボランティア

ネパールボランティアとホームステイプログラム

参加の動機:観光旅行では体験できにくい、現地の人々のリアルな暮らしを短期間(社会人なので)で経験したい。

ネパールは、雨季と乾季があり、プログラム参加時期がどちらにあたるかによって、少し印象が異なるように思います。ちなみに私が参加したのは、雨季の終わりに当たる時期です。

ホームステイ滞在に関して
家族構成:チェイワンさん、奥さん、娘 2 人、おじいさん、おばあさんペット:無(ネズミ、ゴキブリ、ヤモリは my family と話していました)
食事:夕食→非常においしかった、朝食→おいしかった~普通

生活形態:
・停電:毎日 2 時間程度あります。夜 8 時からとか日中とか、時間は不定期。チェイワンさんに聞けば、停電の時間を教えてくれます(電話で問い合わせているようです)。ソーラーシステムはありますが、停電中の電力を賄えるほどの容量はないので、ろうそく+持参のランプで過ごしました。

・水:電力同様、水道も不十分で、雨水をためて使用(洗濯やトイレ?)している様子でした。生活用水は 100L くらいのタンク(複数あり)の水を使っていましたが、使用後は水栓を必ず閉め、大切に使用していました。食事時には、飲み水専用ボトルから、水を出してくれます。家庭であれば、歯磨き・うがい程度なら、それほど神経質にならなくても大丈夫な気がします。

・電化製品:毎日停電があるので、電化製品に頼らない生活をしています。例えば、洗濯機はありません。(手回しの脱水機くらいあれば、洗濯が楽なのにとは思いました。)掃除機も見当たらなかったので、絨毯敷きの部屋をどうやって掃除しているのか不明でした。

・低い天井:チェイワンさん宅はレンガ造りの 4 階建てでしたが、梁の低いところは 160cm 程度で、私がお借りした部屋は天井に手が届きました。セキュリティのためらしいですが、一番低いのが、庭への出入り口で、かがまないと必ず頭をぶつけます。(庭にトイレ・シャワーがあります。)階段(というより段梯子)も急で、最上階のおじいさん・おばあさんは大変そうでした。

・食事:1 日 2 回(朝 7:00、夜 20:30)。ボランティア(子供たちは学校)があるので、朝食は早かったですが、本来はもう少し遅いようです。この 2 回の食事は米を食べる食事で、この間に、甘いチャーと軽食(小麦粉+たっぷりの砂糖に油を使って調理するものが多い)を数回とっているようです。どおりで男女問わず、でっぷりとした体格の人が多いわけです。ダルバールは右手で食べ、洗うまで他のものに触れてはいけない、というのはガイドブック等に書いてある通りです。おかわりも、他の人に頼みます。

一番辛かったのが、シャワーです。シャワールームは 3 日で慣れますが、日本のように好きなだけ水や湯沸かし器を使えないので、気を遣いました。また、入りたいときに停電になると、シャワーを浴びられない日がありました。気候は乾燥しているので、我慢はできます。ネパール人(ネワール)は、夜ではなく朝にシャワーを浴びる習慣があるようです。チェイワンさんがおっしゃっていましたが、ネパールではお金があっても、(水や電気など)全てをお金で買うことができないと。人々は不便を感じながらも、すべて受け入れて、当たり前に生活していました。物をとても大切に使っていたのも、印象的です。日本での今の生活は、贅沢すぎるのかな、思いました。

ボランティア活動に関して
活動先施設名:高齢者ホーム(入居者は身寄りのない高齢者で、そのうち特に身体の不自由な 20-30 人の世話をします。ここは政府管轄施設だそうですが、隣接するマザーテレサ施設のシスターが自らケアに携わっているとのこと。)

活動内容と感想:

・活動時間:8:15~10:45(シスターが 8:15 に来るため)シスター1-2 名+didi、土曜日(祭日)は学生ボランティアが 15 人くらい来ました。私と同時期には、ボランティアとして、スペイン人 5 名、カナダ人 1 名、ベルギー人 1 名、フランス人 1 名が参加していました。
※シスターの居ない木曜日は活動休みです。

・ボランティア活動の流れ
1)入居者全員を移動(晴れの日は軒下+中庭、雨の日は軒下+床の空きスペース)(入居者シャワータイム。シスターがやっていました)
2)ベッド雑巾がけ(消毒)→ベッドメイク
3)床ホウキ掃除→モップがけ(消毒)
4)リネン洗濯(手洗い)→洗濯物干し(物干し竿がめちゃ高い 2.5mくらい?)
(入居者、朝ごはん)
5)皿洗い(食器は共有ではないので、個人個人に返却)
6)軒下モップがけ、中庭掃除
手順は詳しく説明がありませんが、見様見真似でできます。作業中は入居者の方と交流する時間はあまり取れませんが、「ナマステ」と笑顔で言われるだけで嬉しいです。シスターは、ボランティアが解散しても作業をしていて、その体力と、奉仕の姿勢は本当に素晴らしいです。

・感想:日本の福祉施設とは全く異なります。生きるための最低限の保障をする施設、といった場所だと思いました。入居者には、身体が不自由で動けない(トイレに行けない)方や痴呆の方もいるので、清潔度は低いです。(ベッドサイドに洗面器が置いてあり、そこで用を足しているようです。)生命力が強くないと、あるいは障害を持っていると、生きていくには大変なところ(国)だと感じました。ある意味、人間が本来持っている生命力に依存しており、日本のように寝たきりになっても生かされている、自然ならば死にゆく命までも救ってしまうのは、本当は不幸だと思いました。また、外国人ボランティアは、学生ではなく全員が社会人(全員女性でしたが 40 代以上)でした。私も頑張ったつもりですが、ネパール人学生ボランティアは、それ以上に一生懸命活動しており、日本人にはこういう精神が少し足りないし、このようなチャンスも少ない気がしました。

ホームステイ先からボランティア施設までの交通手段:
徒歩(20 分)+バス(20 分)
チェイワンさん宅から RingRoad にでて、そこからバス(青)を拾います。バスがなかなか来ない時もあり、20 分くらい待ったことがあります。
バスは停留所がなく、乗り降りの場所は自由です。バスボーイ?(客寄せ+料金回収する車掌的な人)はとにかく人を乗せたいようなので、間違ったバスに乗らないためにも、行き先を確認してください。発音は英語読みをそのまま読んでも、通じにくいです。一見無秩序ですが、バスルートは守るので正しいバスに乗れば大丈夫です。運転手は運転がきちんとしているタイプ、バスが引っくり返るくらい乱暴なタイプ、両方あります。毎日バスには 4 回以上乗りましたが、二度と同じ運転手には当たりませんでした。

話 英会話 r or ネパール語レッスンに関して:良かった
感想:私の英語レベルは poor~little なので、レッスンというよりも Robin さんと英語でネパールについて話す、といった内容でした。Robin さんはほとんど日本語を話せないので、ネパール単語帳より、和英・英和辞書が役立つと思います。1 回 1 時間の短時間でしたが、低レベル英語だと、聞きたいことが聞けない苦しい状況が何度かありました。また、ネパールは、公用語はネパール語ですが、民族が 100 以上あり、それぞれ言語・習慣が異なるようです。Robinさんが語ってくれたネパール情報も、ごく一部であり、「ネパールで一般的」ということを聞くこと自体、ナンセンスなのかもしれません。今回の旅行では、過去にこれほど強く感じたことがないくらい、英語の必要性を感じました。カトマンズは都市部なので、英語が通じます。Robin さんはもちろん、外国人・学生ボランティアや、チェイワンさんの娘さんとも英語で会話しました。(ネパール人の英語は比較的訛りが少なく、聞き取りやすいです。)英語はネイティブと、というより、日本以外の国の人とコミュニケーションをとるのに、必要なものだ、と実感しました。相手の話を聞く、あるいは質問に答えるのが精一杯で、ほとんど何も質問できなかった、意見を言えなかった自分が悔しいです。

持ち物に関して
日本より用意し、役に立ったもの:
・物干しハンガー(100 均で売っているミニサイズで十分)
・カッパ(傘を差しても濡れるので、バッグを背負った上からカッパ+傘)
・500ml ペットボトル(水は 1L を買ったので、移し替えて持ち歩いていました。)
・虫よけスプレー(それでもチェイワン宅庭で結構刺されました。)
・薬類(痛み止め、胃薬、うがい薬、ヴィックス薬用のどあめ)

その他、便利だと思うもの:
・英和・和英辞書
・ハンガー
・コンパス(道に迷ったときに便利かも。特に雨季は太陽が出ていないので)
※現地で毎日洗濯をするつもりでいましたが、雨季だったので、洗濯物はあまり乾きませんでした。(2 日間くらい干す。)ネパールは、物干しタープや塀などに、洗濯物を直接ひっかけるのが当たり前のようなので、ハンガーが欲しかったです。

カトマンズ (+ + パタン) に関して
お勧めの観光スポット、お店、レストラン等:
・地球の歩き方(最新版がベスト)は本当に良くできています。地図の部分は、拡大コピーをとっておけば良かったと思いました。物価は上昇傾向にあり、格安レストランでも、表示価格より Rs10 くらい高かったところもありました。入場料も記載より高かったです。(US ドル払いもできました。)
・シャワー事情が悪かったので、ロイヤル華ガーデン(露天風呂)に行ったのですが、お風呂は 10 月からと言われ、入れませんでした。事前の HP チェックが必要です。

・お店でビールを頼んだら、瓶で出てきました。ネパール人は、お祭りのとき以外、あまり飲まないようです。

・パシュパティナートは Rs500 で火葬場を見学できます。「I’m a student.」と言って近づいてくるガイドがたくさんいます。Rs500 で 1 時間以上案内してくれたので、お願いするのもいいかもしれません。(値段はガイドによって違うかもしれません。)ガイドの解説があったので、ヒンドゥーの死生観が少し理解できました。ここにはたくさんのサドゥがいて、チップ(または食料)が必要ですが、一緒に写真に写ってくれます

・スワンヤブナート(モンキーテンプル)は丘の上にあり、景色は最高です。その名の通り、猿がたくさんいて、私はいり豆の袋を掌の中に握りしめていたにもかかわらず、後ろからアタックされました。

・パタンのカフェドテンプルの並び(角)にある 6 階建てくらいのカフェ(名前忘れました)は Rs50 でチャー(small bottle がお得、砂糖別付き)が飲めて、ダルバール広場を一番高いところから見渡せるので、なかなか良いと思います。

・カトマンズのバトバティーニスーパーマーケットは遠いです。パタンのナマステスーパーマーケットの方が、近くて便利で、たいていの物はそろっています。各種お茶、インスタントラーメン、ヒマラヤ蜂蜜、お菓子、スパイス等々

カトマンズ (+ + パタン) 以外の街を訪れた方は下記の質問にお答えください。
どちらに行かれましたか? :バクタプル

交通手段、かかった時間、費用は? :カトマンズ バグバサールからバスで 1時間。片道 Rs20。朝 8 時出発、午後 2 時くらいに戻ってきましたが、時間的には観光するのに十分でした。

バクタプルまでの道路が荒れていて、水たまり、くぼみだらけでバスが倒れるのではないかと思いました。現在、リングロード沿線は 6 車線に修復+拡大工事中とのことで、工事期間は半年を予定しているそうです。

感想 :街はカトマンズよりも、パタンよりも、いわゆるネパールらしさ(古い寺院や街並み)の残る場所でした。カトマンズの喧騒から逃れるにはいい場所だと思います。ただ、良い感じのお店はあまりなさそうでした。

予防接種に関して
渡航にあたり予防接種を受けましたか? いいえ

その他
オプションプログラム:期間が 1 週間と短い、また、雨季で天気が期待できないと思ったため、参加しませんでした。
ネパールの物価に関して、何か購入されたものがあれば、その値段も参考までお知らせください。(1 1 ルピー=約\ \ 1.2 )
・使ったお金:7000 円+US$3(高いお土産は買わなかったです。)
・ミネラルウオーター1L=Rs15
・いり豆(ミックス)=Rs20(一人じゃ食べきれない量です。)
・バス代:パタン・ドカ⇔カトマンズ=片道 Rs11、パタン⇔老人ホーム=片道
Rs14(バスは、おつりがきちんと返って来ない事がしばしばで、本当の料金は分かりません。一度、Rs100 を出したらお釣りが来なかったので、怒って奪い
返したら、両替札をもっていなかったようで、結局タダ乗りになりました。)

今後の参加者の方へのアドバイスがあれば何でもご 記入下さい。

【1 日の流れ】
6:15 起床、 6:50 朝食、 7:15 家を出る
8:15-10:45 ボランティア、 11:45 帰宅
12:00-14:00 洗濯 or パタン観光など
14:00-15:00 英会話、 15:30-19:30 カトマンズ観光
20:30 夕食(※夕食前後にシャワー)、 22:30 就寝

初日に Robin さんがオフィスまでの道のりと、ボランティア施設までの道のりを案内してくれますが、ネパールの細い曲がりくねった路地に慣れないので、はじめはどの通りも同じように見えて、とても迷いやすいです。地図に慣れている日本人にとっては、道順の写真だけでなく、地図と合わせて覚えた方がよいです。また、迷った時のために、チェイワンさんの連絡先を聞いておいたほうがよいと思います。午後は毎日、カトマンズへ行き、散策・観光しました。そのとき、最も困ったのが、トイレです。飲食店へ入れば、トイレはありますが、それ以外のときに、トイレに行きたくなっても、公衆トイレがありません。大きめのホテルに駆け込み、お借りしました。

バスは、ものすごく込み合います。バスボーイは定員オーバーでも、客を無理やり詰め込みますので、座っていても、隣の人との密着度はかなり高いです。貴重品には気をつけたほうがよいかもしれません。パタン・ドカ行き最終バスは 19:30~20:00 ころのようです。夕方 17 時前後は、渋滞の時間帯らしく、バスはなかなか来ない上に、時間がかかります。いざと言うときは、タクシーを利用すると(バスと比較すると 10 倍以上高いですが)、裏道を通るので(どこかに連れ込まれるのではないかと、ドキドキしましたが)すごく早かったです。タメル地区は、土産物店や、通行人にかなり声をかけられますが、断ればしつこく付きまとわれることはなく、女性一人歩きでも、裏道に入りこまなければ、明るいうちは、危険とは思いませんでした。ネパール人は、日本人に対して「愛想がよく、優しい」という印象をもっているようです。バスを乗り間違えたり、道に迷ったりと小さなトラブルはありましたが、ほとんど嫌な思いはしませんでした。チェイワンさん、Robin さんはもちろん、ボランティア、ネパールの人々には親切にしてもらい、好印象を抱いています。参加の動機に書いた、今回の旅の目的は十二分に達成できたと思っています。
いろいろと経験を積んでいるはずの 30 代・社会人でも、とても刺激的で、これまで、自分が経験した一人旅とは、一線を画す体験ができました。