CECジャパンネットワーク|海外ボランティア活動支援

参加者レポート

自分にとっても良い勉強になりました

★参加期間★

2014年4月10日(木)~4月21日(月) 滞在日数:11日間
※10日深夜便でホーチミン着のため、実質の活動開始は11日からでした。


★参加プログラム★

ベトナム孤児院ボランティア&日本語ボランティア


★参加の理由★

過去にベトナムを旅行した際、現地の文化や食べ物、人の温かさがとても印象的で「いつかまた戻ってきたい」と思っていました。
また、以前にカンボジアやタイの孤児院を訪問した経験があり、たまたま今回ベトナムで仕事が入ったタイミングと重なったことから、「この機会にベトナムの孤児院も見てみたい」と考え、CECさんのプログラムに申し込みました。


★ベトナムでの主な活動内容★

午前中は孤児院で子どもたちと過ごし、午後は「わかば日本語教室」でアン先生のアシスタントとして日本語学習をサポートしました。
同じ期間にCECさんからもう一人参加者がおり、ほとんどの時間を一緒に行動しました。活動を通じてすっかり仲良くなり、帰国後も連絡を取り合っています。


★現地でのコミュニケーションについて★

日本語教室ではアン先生に日本語で相談できるので、とても心強かったです。
孤児院では基本的にベトナム語ですが、先生方やスタッフの方々は海外からのボランティアの受け入れに慣れており、身振り手振りや笑顔でコミュニケーションをとってくださいました。

ホーチミン市内のお店では、簡単な英語が通じるところも多く、ドンコイ通り周辺のお土産物屋さんでは日本語が堪能な店員さんもいました。


★滞在中に大変だったこと★

1)交通量の多さ

4年ぶりのホーチミンでしたが、相変わらずバイクの数は圧倒的です。
信号が青でもバイクが進んでくることがあるため、横断時は周囲をよく見て注意しながら渡ることが大切だと感じました。

2)体調を崩したこと

滞在4日目に体調を崩し、高熱が出てしまいました。
お腹の調子が悪くなり、しばらく部屋で休むことになりましたが、水分補給をしながら安静にしていたところ、翌日には回復しました。

海外では、食事や水が日本とは違う環境になるため、体調不良が続いたり不安な場合は、無理をせず早めに海外旅行保険を利用して医療機関を受診することが大切だと実感しました。
また、到着直後は屋台や生もの・冷たい飲み物を控えめにするなど、少しずつ現地の環境に体を慣らすことをおすすめします。


★孤児院での活動内容★

孤児院では、とにかく子どもたちと一緒に過ごす時間が中心です。
お寺が運営している施設で、敷地内は開放的な雰囲気があり、スタッフの指示に従いながら、日替わりでさまざまな部屋に入り、子どもたちと触れ合いました。

障害のある子どもたちも多く暮らしていますが、皆それぞれのペースで一生懸命生きており、一緒に遊ぶと本当にうれしそうな表情を見せてくれます。
折り紙などの教材も持参しましたが、実際には 抱っこやおんぶ、施設内を一緒にお散歩する といったシンプルな関わりが中心でした。

※乳児が並んでいるお部屋など、立ち入り制限がある場所もあり、スタッフの方の案内のもとで活動します。


★孤児院について(調べた内容の概要)★

私が訪れたのは、ホーチミン市内にある寺院「キークワン寺(キークワンⅡ寺)」に併設された孤児院です。
ベトナムには政府が運営する公的な施設もありますが、子どもの数に対して施設が十分とは言えず、その不足を補うために、お寺や民間団体が運営する孤児院も多く存在していると言われています。

ここには、家庭の事情で育てることが難しくなった子どもたちや、さまざまな困難や障害を抱えた子どもたちが暮らしています。
一部には、過去の戦争の影響など、歴史的な背景と関連があるとされる健康上の課題を抱えた子どももいると言われていますが、現地では限られた資源の中で、長期的なケアと生活支援が続けられています。

お寺の運営は主に寄付によって支えられており、お布施と子どもたちのための寄付は分けて管理されているそうです。
旅行者や地元の団体が食料や文房具などを寄付する姿もよく見られ、ベトナム各地から支援の輪が広がっていると感じました。

子どもたちの食事はシンプルですが、農家から届くお米や野菜など、さまざまな形の支援が生活の大きな支えになっているそうです。


★わかば日本語教室での活動★

午後は「わかば日本語教室」で、日本語学習のサポートを行いました。
クラスは15時からと18時からがあり(時期によって変動の可能性あり)、1レッスンは約90〜120分。

  • 日によって2人~10人ほどが参加

  • 小学生から社会人・シニアまで幅広い年齢層

  • 初級のあいさつレベルから、新聞の社説が読めるレベルまで

学習レベルはさまざまですが、皆さんとても熱心で、日本語や日本文化への関心の高さに驚かされました。

授業では、

  • 宿題のチェック

  • 音読の確認

  • 会話練習
    などを一人ひとり順番に対応していきます。アン先生から、その都度サポート内容の指示をいただけるので安心です。

教材として日本のフリーペーパーや旅行会社のパンフレット、日本のお菓子などを持参しましたが、
「将来、日本に行きたい」という生徒さんも多く、とても喜ばれました。

授業後に生徒さんやアン先生と一緒に屋台のベトナム鍋を食べに行った時間も、忘れられない良い思い出です。


★滞在中の生活(お金・食事・服装など)★

お金・物価の印象

ベトナムは日本に比べると物価がかなり安い印象です。
ただ、ベトナムドンは桁数が多いため、最初は金額の感覚をつかむまで少し戸惑いました。

少額の紙幣(1万〜5万ドン)があると、屋台やバスなどでとても便利です。
私は約35,000円分を両替し、

  • 約20,000円:食事・日用品・交通費などの生活費

  • 約15,000円:スパや買い物、お土産
    といったイメージで使いました。

節約すれば、10日間をもっと少ない金額で過ごすことも十分可能だと思います。

食事

フォー、バインミー、バインセオなど、代表的なベトナム料理は、ホテル近くの屋台や食堂、カフェで気軽に楽しめます。
香草(パクチー・コリアンダー)が入っていることが多いので、苦手な方は「抜いてください」とお願いするとよいです。

暑さであまりお腹が空かない日もあり、朝食はコンビニやスーパーで買ったカットフルーツで済ませることもありました。

さとうきびジュースなど、屋台の飲み物はとてもおいしいですが、到着直後や体調が不安なときは控えめにするなど、体調と相談しながら楽しむのが安心です。

服装

一年を通じて暑く日差しも強いため、

  • Tシャツ

  • 薄手のUVパーカー

  • コットン素材のハーフパンツ

といった軽装で過ごすことが多かったです。

洗濯物はすぐに乾くので、衣類の枚数はそれほど多くなくても問題ありません。
現地の市場やお店では、Tシャツやパンツなどが安価で購入できるため、「現地調達」も十分可能です。

ジーンズなど厚手の素材は暑さと汗で少し負担に感じるため、通気性の良い軽い素材がおすすめです。
孤児院での活動では子どもたちに抱きつかれたりすることも多いので、「汚れてもよい服」を選ぶと気楽です。

履き物はビーチサンダルなどの簡単に脱ぎ履きできるものが便利でした。


★交通手段★

滞在中は主にバスとタクシーを利用しました。

  • 孤児院までは距離があるため毎回タクシー(1回約150,000ドン)

  • 孤児院から市内中心部(ベンタン市場周辺)へはバス

  • 市内中心部からホテルへ戻る際もバス

バスは安く、慣れると便利ですが、時刻表がないため待ち時間が長くなることもあります。
暑さ対策として帽子や日傘、水分は必須だと感じました。


★滞在ホテル★

滞在したホテルは家族経営のあたたかい雰囲気の宿で、

  • 部屋は清潔

  • 毎日の掃除とシーツ・タオル交換

  • スタッフも笑顔で親切

とても安心して過ごすことができました。

東南アジアのミニホテルでは、短時間の停電が起きることもありますが、スタッフがていねいに対応してくれました。
必要であれば、小さな懐中電灯を持参するとさらに安心です。


★持参してよかったもの★

  • 洗剤(ホテルのバケツで洗濯)

  • 日傘・帽子(強い日差し対策)

  • ウェットティッシュ(足や手をこまめに拭く)

  • 虫よけグッズ

日焼け止めやシャンプーなどは現地のスーパーでも簡単に購入でき、日本でもおなじみのブランド商品が安く売られています。


★観光について★

休日や空き時間には、

  • 中央郵便局

  • 教会

  • ドンコイ通り

  • ベンタン市場

  • チョロン地区のビンタイ市場

  • 国営百貨店

  • メコンデルタ1日ツアー

などに足を運びました。

ベトナムならではの歴史的な建物や市場の活気、カフェ文化やローカルフードなどを体験でき、
ボランティア活動だけでなく、ベトナムという国そのものへの理解も深まったと感じます。


★全体の感想★

アン先生、わかば日本語教室の生徒さんたち、孤児院の子どもたち、現地で出会った多くの人たちとの交流は、どれもかけがえのない経験になりました。

孤児院では、さまざまな背景や事情を抱えながら懸命に暮らす子どもたちと出会い、
「いのちの重さ」や「支え合うことの大切さ」 を改めて考えさせられました。

ボランティア活動は、現地の状況をすべて解決できるわけではありませんが、

  • 子どもたちと向き合い、

  • 話を聞き、

  • 一緒に遊び、学ぶ時間を共有すること

それ自体に大きな意味があると感じました。

今回の参加は、私自身にとって「いのちを感じる旅」であり、
出会ったすべての方々に心から感謝しています。