海外ボランティア活動支援のCEC

地域サービス活動

ホームレスの人たちの滞在施設。それが僕の配属先でした。 仕事内容も全く想像つかず、不安な気持ちで派遣先に向かいました。 場所がロンドンの(ギリギリですが)Zone1圏内だったので、都会というイメージからニューヨークのハーレムのような場所を想像してましたが、外観は以外にもちょっとしたビジネスホテルといった感じで、駅の目の前で大通りにも面していた為、それを見た瞬間、現金なものですが先行きがかなり明るくなりました。

掛け替えのない財産になった

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最初に施設の様子を説明すると、長期滞在できるホステルと言うと分かりやすいでしょう。一晩や二晩だけの仮の宿泊施設と思われる事が、特に日本人にはよくあります。それだけ日本ではあまり無い形式なのでしょう。日本にいる時は、全くそういう方面についての知識が無かったので、自分には比較的違和感無く受け入れられたと思います。 私生活については、フラットを派遣先から支給されているので、とても快適に過ごしています。ボランティアは2~3人で1つのフラットを共同で使っています。それぞれに完全な個室が与えられ、リビングとキッチン、トイレをシェアする事になるのですが、他国の人との共同生活は、自分の主張をはっきり言わないとかなりストレスが溜まる事になります。

日本人と違い、自分の不満をはっきり言っても、あまり人々が不愉快になる、という事はないようです。むしろ自分の主張をハッキリさせないと、向こうもこっちを軽く見る、とまではいかなくても、何もいわない以上は平気だろうとみなされます。向こうは言いたい事をきちんと主張してくるので。

食事に関しては、シフト中は無料で支給され、それ以外は自炊か外食をする事になります。毎週もらえるポケットマネーの中からそれをするのですが、やはりロンドンの外食はかなり高い為、自分はいつも自炊してます。キッチンはちゃんとしたものがそれぞれのフラットにあり、調理器具も最低限揃っている為、自炊する環境は整っています。スーパーも遠くないところにあるので、セールの時に買い溜めしておくのはもう日常的になってます。

仕事中はシェフがいるので料理はしませんが、仕事以外でほぼ毎食作っている為、料理の腕前は確実に上がったと思います。こっちでは外食すると高くつきますが、材料はあまり高くない為、料理が苦手な人でもなるべく自炊をオススメします。 精神障害や身体障害、アルコール中毒や薬物中毒など、色々な人たちがここにいて、そういった人たちと関われた事は非常に幸運だったと思います。色々な考え方や、人々との関わり方、日本にいただけでは分からなかった事を色々教えてもらえました。恥ずかしながら日本の福祉の事は全くと言っていい程分かりませんが、イギリスの、すくなくとも自分が関わった部分での長所や短所、少しは分かったと思います。

帰国してからも福祉方面で関わっていけたらとも思えるようになりました。まだ帰国したいとは到底思えませんが、どっちにしろその日は迫ってきているので、その日々を大切に過ごしていきたいと思います。冷静に、総合的に考えて、一年間この国でボランティア体験留学ができた事は、自分の人生に於いて掛け替えのない財産になったと思います。自分に自信を、それは自分の信念となりました。

WONDERFULな体験でした

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派遣先のresidentsはMS(多発性硬化症)を患っている方や,Stroke(脳卒中)で半身不髄になった方、小児麻痺の後遺症をわずらっている方がいた。施設の目的はresidentsの自立であり,できることは本人の意志を尊重して、できるだけ本人自身に行わせ、いずれはこの施設を出れるようにすることを願っていました。

朝7.30-14.30、または午後14.30-22.00の2部交代制のSHIFTで活動していた。午前のときは起床、着衣、トイレ、朝食の準備(その他)を主に手伝った。午後の時の活動は買い物の付き添い、トイレや夕食の手伝いなど、さまざまな日常生活のサポートを行いました。

ナースコールのブザーが鳴ったときのみresidentsの部屋に行き手伝う形を取っており、あくまでもresidentsの自立した生活を尊重していた。staffはワイルドな人が多く、、よく食事の後におならやゲップをし、「pardon me!」と言うような、かなり、日本では見られない光景を目にし、ある意味本当に生き生きと働いていました。
私は5ヶ月しか滞在しなかったけどクリスマスPARTYやSUSHI PARTYなども開く事ができ、WONDERFULな体験でした。

人と触れ合う難しさと喜びを知る

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イギリス中部の町ノースハンプトンに尚子さん、里実さんの派遣先「ハンプトンハウス」はある。27名のレジデンツとともに、イギリスでのクリスマスを迎えた。

里実さんは英語研修を終えて、ここに派遣されて約6ヶ月。英語学部の学生で、英語だけでなくこのボランティアに興味を持ち渡英を決意。しかし、派遣されてからはつらいことも少なくはなかった。6ヶ月を振り返ると、仕事内容やレジデンツたちとのかかわりでなく、イギリス文化や多国籍のスタッフとの交わりだった。派遣された当初は日本人は里実さん一人。文化が違うと生活観もかなり違う。部屋の掃除ひとつとっても、感覚が異なる。そのことでかなり悩んだこともあった。自分の仕事にも慣れ自信がついてくると、そういうこまごまとした違いにも慣れて来た。今ではそんなことよりも、レジデンツたちとのふれあいの時間がとても楽しい。

尚子さんは2件目の派遣先。ここでは2ヵ月半になる。以前はインデペンデントのクライアントのお世話をしていた。二つのプレースメントとで経験できたことは、とてもよい勉強になった。おたがいの良さや改善面も見えて、今後の良い刺激となっている。以前の派遣先ではつらいこともたくさんあったが、それを乗り越えたからいまが楽しくボランティアできると尚子さんは考えている。また、2件を経験して、このイギリスでの人権について考えさせられたという。たとえ体に障害を持っていても、人権を尊重される。その人が好むことをできるように手助けする体制、それに対する人手はかなり日本よりも進んでいると、日本での経験とも比較して考えている。

二人はこのハンプトンハウスでイギリスではじめてのクリスマスを迎えた。クリスマスの25日当日は帰宅したレジデンツがほとんどだったが、12月に入りクリスマスまで準備やパーティーが続いた。まずはパーティーの買い物から準備は始まる。特に女性のレジデンツはパーティー用のドレスやアクセサリー選びが楽しみである。二人もその買い物を手伝う。プレゼント選びも慎重である。レジデンツによってはとても時間がかかるが、スタッフやボランティアたちもアドバイスをしながら選ぶ。また楽しいのはクリスマスカード作りである。体が不自由で代筆しなければならないレジデンツには、変わってカード書きを手伝う。このカード作りはイギリスではかなり重要である。その上、ハウス内の飾りつけもする。クリスマスツリー、リース、モールなどなどレジデンツたちと一緒に飾り付けをし、ハウスはすっかり普段と様子が変わる。一年で一番楽しいときである。

いよいよクリスマスパーティー。里実さんも尚子さんも何度もクリスマスパーティーをしたというほど、何度もパーティーはもたれる。あるときはパブで飲み会、あるときはレストランで食事会、またハウス内で。このハウス内は一番盛り上がった。というのは、ハウスにDJが招かれてその当日はディスコとなったからである。この日はスタッフの家族も参加して大勢で大賑わいだ。車椅子に乗っていても体は動く。気持ちも動く。音楽に乗ってそれぞれのダンスを楽しんだ。こんなとき音楽は本当に心を開き、良いトリートメントともなる。このようなときのレジデンツとのふれあいが一番楽しいと尚子さんも里実さんも感じている。

このクリスマスにちなんで始まったわけではないが、二人の感動を誘うのはレジデンツたちのささやかなバンドである。「サウンドビーム」とよばれる楽器(機械)で独自のバンドを結成している。これは体が不自由な人でも楽器を演奏できるように工夫されている。センサーで手や体の動きを感じ取って音を出すことができる機械だ。コンピューターで操作して作られる音はパーカッション系で、バックミュージックに合わせて合いの手を入れる感じで合奏してゆく。レジデンツは週3回これらの練習をする。尚子さんと里実さんも時には一緒に参加して、歌ったり踊ったりしている。今では近郊の養護学校などにコンサートを依頼されるそうだ。

このような経験を通じて里実さんは「英語の勉強のためにと考えて参加したが、言葉だけでなく学んだことは多い。障害をもつ人とかかわることはまったく始めてだったが、言葉なしで心を通わせることができることが嬉しい。英語の勉強だけでなく、人と触れ合う難しさと喜びを知ることができた」と、
また、尚子さんは「料理を習いたい人にはその機会を、大工仕事の手伝いをしたい人にはその機会を、カレッジに通いたい人にはサポートがあって卒業できる機会を与えらる体制を知った。すべてが個人に選択権があって、それを援助できるシステムを見習ってゆきたい。」と最後にそれぞれの思いを語ってくれた。

このプログラムに出会えてよかった

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1年間のボランティアプログラム、あっという間だったけれど、とても内容の濃い1年だった気がします。私は日本で全くケアーワーカーとしての経験がなく、これまでは銀行員やOLとして働いていました。海外へ行ってみたい、文化の違いに触れてみたいというのは、ずっと学生の頃からの夢でした。

数あるプログラムを調べる中、こちらのボランティアプログラムがピピッと目にとまりました。興味は大いにあっても、介護に知識や経験もない私が出来るのだろうかという不安から参加を決めるまで悩む時間がありましたが、体験談を読み、皆さまそれぞれにすばらしい経験をしていることがわかり、応募を決意しました。 私が派遣されたのはワイト島。引退者が住む島といわれるほど、お年寄りが多く、たくさんの老人ホームがあります。

また、美しい自然に囲まれ、リゾート地としても知られています。ボランティア先はソレント・ビュー・レジデンシャル・ホーム。レジデンツ17名、スタッフは約15名。仕事はベッドメーキング、食事、トイレやお風呂の介助などです。はじめはオムツの交換がうまく出来るか不安でしたが、スタッフに教えてもらったときのスピードの速さにびっくり!ついて行くのに必死で頭で考えている暇もありませんでした。仕事は楽ではありませんがレジデンツがとても可愛く、素敵な方ばかりでしたので楽しく働けました。

言葉も上手に話せず、人種も違う私が受け入れてもらえるのかという不安もありましたが、一生懸命はたらいていれば伝わるものなんですよね。信頼感を得たという実感はとても大きい喜びでした。時にケアーワーカー対レジデンツ、時にはメイト(友達)、時には人生の先輩。レジデンツは多くのことを私に教えてくれ、私も彼らから多くのことを学びました。 また、仕事をしていてたくさんの新たな自分を発見したこともはじめての経験でした。日本では人と接する仕事をいくつかしてきましたが、この仕事こそが本当の意味での接する仕事であると思いました。

さて、このプログラムできっても切り離せない必要不可欠のものといえば英語。私はこの仕事が未経験でしたし、お年寄りが相手でもありましたので、基本的なことではありますが、スタッフが仕事を教えてくれたときやレジデンツから頼まれたとき、英語の内容が理解できないときはわかるまで聞いたり、間違ったことをしないようにいわれたことを復唱していました。 はじめの頃、英語が全く聞き取れず、今までの勉強は何だったんだろうと相当ショックでした。

レジデンツの英語が少しゆっくりなのでその人の話し方がわかるようになると次第に聞き取れるようになりますが、つらかったのはスタッフとのコミュニケーションでしょうか?とにかく、彼らの英語はとっても早いです。休憩時間があっても話しに入れないし、特に話を振ってくるわけでもなく、手元のドリンクが進むばかりでした。 まるで仲間に入れない転校生のようで、自分の英語力にジレンマを感じましたが、無理に会話に入ろうという努力はあまりしませんでした。

そこで頑張っても言葉の壁はあるわけだし、精神的にも疲れるので。 イギリス人は人見知りするところがあるようです。気がつけば、いつのまにか打ち解け、飲みにいったり、お宅に遊びに行ったりしていました。また、私は同じホームに住んでいましたので、仕事終了後でもスタッフやレジデンツのいるリビングルームで時間を過ごしたりしていました。ホームに来た当初では考えられないことでした。

帰国のときはとても離れがたい思いでしたが、本当にこの1年で出会い、新しい仕事、環境、生活を上げればきりがないのですが、すべて自分にプラスになったと思います。ワーホリや留学でなく、このプログラムに出会えてよかったと実感しています。